次はそれぞれの機器の特性を知るために、専門用語を勉強していきましょう。
専門用語というと少し構えてしまうかもしれませんが……
以下のたった二つなので、気楽にいきましょう。
・相対効率 (そうたいこうりつ)
・分解能 (ぶんかいのう)
まずは、相対効率から参りましょうか☆
名前からすると、何かに対する効率のようですが、正体は一体?
これは3×3インチのヨウ化ナトリウムの結晶を用いた、NaIシンチレーション検出器。
それを基準として、放射線を感じ取る力を表したものです。
「3×3てなんじゃぁ!」
とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、結晶のサイズですね。
当然ながら、2×2なんてのもあります。
サイズが大きくなればなる程、感じ取る力も増します。
ちなみにこの相対効率、
NaIシンチレーションより優れていれば、「相対効率120%」等と表されますし、
劣っていれば、「相対効率40%」等と表記されます。
世の中では、「ゲルマ! ゲルマ!」と神輿にわっしょいな感じですが……
一般的に、放射線を感じとる力は、NaIの方が優れているんですね☆
(世の中には、相対効率120%などのゲルマもありますが、かなり稀な存在です)
相対効率を、一般的な機器で順位を表すと、こんな感じです
どうですか?
ちょっとはNaIの事を見直しましたか?笑
次に紹介するのは、分解能と呼ばれるものです。
名前からすると、何かを分解する能力のようですが……?
これは分解する能力ではなく、分別する能力と考えて頂ければ問題ありません。
放射線とは、言い換えればエネルギーです。
このエネルギー。実は核種毎に、放つ値が異なっています。
放射能測定は、そんな放射性核種の持つ固有のエネルギーを捉える事で、放射性核種の特定を行っているんですね。
そうなると、中には似通ったエネルギーを持った放射線も存在します。
そういったエネルギーを、きちんと分別する力が分解能です。
もしこの力が弱いと、「誤検出」なんて事態を招き易くなってしまいます。
NaIだとこの力が低いので……弊社では繰り返し測定し、結果を報告しています。
対してゲルマニウム半導体検出器は、この分解能と呼ばれる能力が非常に高いです。
だから、安心して測定を行うことが出来るんですね。
分解能を、一般的な機器で順位を表すと、こんなランキングになります。
なお、あくまで一般的な指標ですので、当然例外も存在します。悪しからず!
機器の特性に関して、何となくわかりましたか? ではまた次回