ばらつき ~放射能測定値の話

さぁ、放射能測定・放射能濃度測定で、ばらつきが気になる貴方!
まずは、

真の値(しんのあたい)と、

不確かさ(ふたしかさ)の記事を見てください。

見ましたか?
OKです。それでは話を進めて行きましょう。

どうにも放射性物質で、真の値を求める事は限りなく難しい。
なぜなら放射性物質の壊変(崩壊)はランダム的だから。

以上に関しては、放射性物質さんの都合です。
しかしそれ以外にも、人の都合が測定には関わってきます。
結論から申し上げましょう。
いくら確立された分析法や、熟練の測定員が測定したとしても、測定結果には必ず”ばらつき”が存在します。

それは何故か?

測定によって得た分析値は、分析法や機器、測定員の技能、
測定環境、試料を容れた容器の置き方(位相)などによって、様々な値を取ります。

例え同一の測定員が、同一の試料を、同一の機器を用いて、
同一の方法で、同一の日に、同じ時間だけに繰り返し分析したとしても……

その値は、必ずある程度ばらつきます

更に!
例えば食品の放射能濃度測定を行おうとした際には、分析に適した状態に加工する前処理が必要になります。

この作業も当然ばらつきますよね?
全く同一に検体を加工する事や、その検体を容器に全く同一に詰める事は不可能です。

加えて!!
測定機器の操作や、維持・管理は必ず人間の手を介した作業が入ります。

更に追い打ち!!!
測定環境に関しても、どれだけ気を配ったとしても、太陽活動の影響等を始め自然は、人間の手に負えない事が多いです。
完全に同一の環境にすることは、極めて困難です。
結果として、
分析値はそれらの積み重ねによる誤差や、様々な偶然の誤差に左右されるため、
ばらつきを完全に避けることはできません。
この測定時におけるばらつきを如何に抑えるか……
それが測定機関の一つの腕の見せ所であると同時に、弁慶の脛、アキレウスの踵でもある訳です。

当然、ISO17025ではここが問われます☆
その妥当性を客観的に示す為には、莫大な資料が必要となりますので、まぁ本当に大変なんです。

八進の放射能講座

放射能測定(前編)について

放射能測定(後編)について

ISO17025について


ばらつき ~放射能測定値の話」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 真の値は存在するのか? 壊変時の真の値なんてね・・・・。 | 放射能濃度測定 株式会社 八進 / 放射能事典

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